◇◆あじさい◆◇
〜胸の痛み〜
中学へ上がると、私には仲間と呼べる友達ができた…。
中1、同じクラスで、初めて給食を一緒に囲んだグループだ。
私達は、引き寄せられる様に気が付けば、一緒に授業をサボったり、夜遊びをしたりと、仲を深めていった。


沙織・和也・祐介・とっつぁん

和也と祐介は小学校が同じで、沙織は中学校入学とともに隣街から引越して来た、言わば転校生。私ととっつぁんは、小学校は同じだったが、一度も同じクラスにはならなかった為、顔と名前が一致する程度で、話した事は一度もなかった。
私は母への苛立ちを忘れさせてくれた仲間を大事にした。


何をしてても楽しくて仕方なかった。私が本当に心から笑える時間だったから。


朝帰りの度に、滅多に大きな声を出さない父が私を怒鳴り、母は目を反らし続けた…。



それでも、私は朝帰りを続けた…。どんなに怒鳴られ、玄関を閉め出され様と私の心は仲間を求めていた。


胸の痛みを忘れさせてくれるから…。
< 11 / 223 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop