◇◆あじさい◆◇
〜胸の奥〜
美術の時間も終わり、私と沙織が教室へ戻ろうと、和也達の教室の前を通ると、中から4、5人の女子がジャージで出て行った。


『そっかぁ…。
和也達体育かぁ〜。お昼まで顔見れないねっ…。』


沙織が残念そうに笑った。

『お昼なんてすぐじゃん!』

『…だねっ。』



私は、内心ドキドキしていた。昨日あった出来事を、何も考えてない訳じゃなかったけれど、実際、また裕介と顔を合わせる事に普通ではいれなかった。



3限目の英語も、4限目の歴史も頭の中は、その事でいっぱいいっぱいだった。


【裕介の顔…、
ちゃんと見れるかなぁ…。
いつも通り、話せるかなぁ…。】



不安で不安で、
時計の針ばかり気になっていた。
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