◇◆あじさい◆◇
『…なぁ、

覚えてるか…?』



休日、とっつぁんの家に顔を出した和也が言い出した。



『…なにを?』



私は、全く予想がつかなかった。



『忘れたとは
言わせねぇ〜よ。』



『…ん?』



『何だよ?
もったい振んなよ。』



とっつぁんも、何の話か気になっていた。










『…タイムカプセル。』




ゆっくり開いた和也のクチは、10年後の今、私達の記憶を呼び起こした。




『…あっ、』




『…行こうぜ。

公園。

アイツら待ってる。』




和也は、元々、そのつもりで此処に来たんだと分かった。
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