◇◆あじさい◆◇
『風花っ、宜しくっ!』



不意に、とっつぁんが握手を求めた。



『あっ、うん!宜しくぅ。』



『お前さぁ、俺で残念…みたいな顔すんなよぉ!』



『してないぃっ!』



『文句なら神様に言えっ!あっ?センコーかぁ?いやっ、校長か?なぁ、クラス分けって誰がすんだっけ?』



『だから、してないってばっ!』




そんなやり取りをする私達を和也達が笑った。




『お似合いだよ。お前ら。』



祐介が呟いた…。






私は言葉が出なかった。







一瞬、時が止まったかの様に周りのざわめきが聞こえなくなった。







『祐介っ!
それ禁句っ!コイツ本気にすっから!』



とっつぁんは、ちゃかしながらも、その口調は力強かった。




『…だなぁ〜。風花ジョーダン通じねぇ〜からぁ!』


和也が気を利かせて場を和ませた。


『わりぃ。そんなつもりで…』
『いぃからっ、並ぶぞっ!式始まる!』


とっつぁんの様子が普通じゃないのを感じていながらも、私達はそれぞれ列に並んだ。
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