PRINCESS story

「あなたに良いことを教えてあげる」

志保さんは、まるで悪魔のような笑みを浮かべて、私にこう言い放った。


「王子の座は、必ず奪ってみせる。
もともと、王子に相応しいのは和也なの。
喜びなさい?そうすれば、あなたは王子妃じゃなくなる。自由の身よ」



志保さん……何を言ってるの?

王子の座なんて、そんな簡単に奪えるはずが無い。


「余計な抵抗はしないほうがいい。
傷付きたくなければ、諦めるのが一番よ」

「志保さん……?」

「気安く私の名前をよばないで!
そうだ、琴葉ちゃん、最後にもう一つ、教えてあげる」


そう言うと、志保さんは立ち上がり私の耳元で言った。

「手段は、選ばないわ。
だから、命が大切なら王子に伝えて?
早く王子の座を降りろ、ってね」



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