PRINCESS story

奏斗に、『俺を本気で愛すな』と言われたこと。

奏斗の部屋を掃除していて写真を見つけたこと。

奏斗に、心配されるのが迷惑なんだ、と言われてしまったこと。


全部話した。


私が話終えるまでずっと、和也さんはただ黙って私の話を聞いてくれた。


「私、奏斗にとって自分がどんな存在なのか分からないんです」


話しているだけで、寂しさと悲しみが込み上げてくる。


「私は奏斗の妻として、彼を支えたい。でも、奏斗は私のことを、妻としては見てくれていない」


「どうして、そう思うの?」


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