PRINCESS story
「琴葉さん………
奏斗を心から愛する気持ちがあれば、いつかきっと、その気持ちは伝わる。
だから、お願い。私が受け止められなかった気持ちがあなたに向けられた時には、ちゃんと受け止めてあげて」
「沙穂さん…私にそんなこと……」
“出来ない”
そう言おうとしたのに言えなかった。
心のどこかで、そうしたいと思っていたから……
「押し付けがましく聞こえるかもしれないけど、私の最後の願いだと思って約束してほしい」
私は静かに頷いた。
「奏斗を一生、愛してあげてね」