PRINCESS story
琴葉はそっと俺のことを抱きしめた。
こんなにも、人の体温が心地よく、心を落ち着かせてくれるものだなんて知らなかった。
気持ちが、少しだけ楽になっていくのが分かる。
「琴葉…」
「ん?」
「俺、これから、どうしたら…」
沙穂を失って、でも、俺はこれからも王子として生きて行かないといけない。
俺は、どうやってこの心の穴を埋めていけばいい?
琴葉…
君なら、俺にこの答えをくれるかな?