Love...
Hathukoi...



父「じゃあ,もう出る。」

母「そうですね。私もそうします。」

克「え…?何故今日は…」

母「海外のパーティーに招待されたのよ。」


あぁ,なるほど。


母「じゃあまた1ヶ月したら帰って来るわ。
それまでしっかりするのよ。」


玄関の扉を出て,リムジンに乗った両親に
浅く礼をしながら見送った。


ガチャ…バタン。


静かになった家に緊張しきっていた俺は
深いため息をつきながらソファーに
ゆっくり横たわった。


克「…何であの2人から俺は生まれたんだ?」


そんな考えても解らないことを
考えながら何気無く時計を見た。

正直,二度見してしまった。

まだ8時だったからだ。
起きてから1時間しか経ってない…。
3時間くらいに感じたのにな。
恐るべし,俺の親だ。
朝早くから緊張しっぱなしだった俺は
何故か幼少期を思い出していた。


,,,,,,,,,,,,,,,,,7才の春

俺は幼いながら初恋をしていた。
相手は今でもはっきり覚えてる。

名前は 前田 晴菜。
髪は背中までのロングで黒く,艶のある髪。
揺らす度にふわりとシャンプーの香りが
漂う,清潔感に溢れていた少女だった。
顔も整っていて,彼女はやはりモテていた。

俺はクラスのムードメーカーだったらしい。
俺の周りには毎日友達が居た。

ある程度,友達とは喋ったりしていた。
というか喋りかけられる度に返してただけ
という方が正しいかもしれないな。

そんな俺だったがただ1人,一度も話した
ことがない女がいた。

それが彼女,前田 晴菜だった。
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