それでもおまえらは、俺を合コンに誘うのか?
一年六組。それが和俊が編入するクラスだった。稲葉がドアを開けると、
「おはよーございまーす!」
と元気な声が響き渡った。
「きりーつ! れー! ちゃくせーき!」
日直の号令でホームルームが始まる。一週間前まで別な学校で当たり前に見続けていた光景が、やけに新鮮に思えてきた。
「今日このクラスに転入生が入ります。剣持君!」
稲葉に促され和俊が教室に足を踏み入れた時に、どよめきが起こった。商業高校であるため、クラスの七割が女子生徒だ。
女性の声色とは結構目立つもので、いくら本人は声を潜めているつもりでも、それが沢山重なるとどよめきとなってその場に響き渡る。
今の一年六組が正にそういう状態だった。
「剣持和俊いいます。趣味も特技も野球です。野球部に入って皆さんを甲子園に連れて行けるぐらいの選手に……、なれりゃあええなーぐらいには意気込んでます。宜しく!」
ここでまたどよめき。今度は先ほどと違い、
「ほー、野球部じゃったんやー」
という声がはっきりと聞こえてきた。