心のかけら
                 


                  「そら似」







私に似ている人と前付き合ってたんだね、その人はもうこの世にはいないんだね、おあいにく様冷たいようだけど私はその人の身代わりじゃないよ、一応プライドだってあるし。似ているだけだよ。私の中の誰かを見つめないで、辛いから。私を私として似ている誰かじゃなくてここにいる今ここにいる私を見つめて。





















                  「猫」







彼の視線がナイフの様に突き刺さった夜、眠れない野良猫は街をさまよう、愛の意味さえ無くなったこの街東京、振り返れば鮮やかな思い出たちが手招きをする。私は街角に血を流しながら一人たつ、次の飼い主に拾われるまで。


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