もう、誰も愛さない。って決めたのに【完】
それからそれを、あたしのお腹に近づけて、ユラユラ揺らしながら大声をあげた。


『おい、聞いてっか?
父ちゃんも母ちゃんも、おまえのこと、待ってるからな。
すっげぇすっげぇ、幸せにしてやるから、今から覚悟しとけよぉ!?』


お守りを手渡してくれた神社のお姉さんも、目を丸く開けてびっくりするくらいの大声で。


周りの人が振り返ることなんか気にせず、龍はあたしのお腹に話し続けた。


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