手紙

廉へ

廉、ごめんね。

こんな形で居なくなって

廉に助けてもらって、私は初めて幸せを知りました

信じてもらえないかも知れないけど、一目惚れだったんだよ

人を愛する事なんて無いと思ってた私がこんなにも廉を愛おしいと思えるなんて

でも、廉 ごめんね

私、廉に好きになってもらえるような人間じゃないの

汚い、汚れた人間なの

私、ずっと義父にオモチャにされてた

助けてくれるはずの母はあいつの暴力に怯えて、ずっと見て見ぬふりだった

あいつを殺す事も考えたけど、あいつを殺した所で私は綺麗な身体に戻れない

このまま生きて行く事も考えられなくて、私の選ぶ道は一つしかなかった

でも、廉に出会って愛をもらって私はこの3日が人生の宝物になった

出来れば綺麗な私で、何も知らない真っ白な私で会いたかった

ごめんね廉。私ひどい女だね。廉をずっと騙してた…

でも何も無かった私に光をくれてありがとう。

私は、この世界に絶望だけを残して逝かなくてすんだ

廉ってゆう光を胸に刻んで逝くね

廉 最期にワガママ言っていい?

もし、生まれ変わったら廉とまた一緒にいたいな

廉…また私を見つけてくれる?

廉… 廉… 私の中は廉でいっぱいだよ

でも今回は廉を手放してあげる!

次は、ダメだから今のうちに楽しんでおいてね!

廉、どうか悲しまないで

私は楽しみなんだ!

次に廉に逢えるのを

少しだけ…バイバイね

廉…愛してる

これだけは本当なの

これだけしかないの

羽実

P.S. 指輪の中を見て、私からの最期のプレゼント
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