ワタシノタイヨウ
放課後……


(今日こそ会えるといいな。)


期待を抱きつつ、とりあえず先に職員室をのぞきに行ってみる。

席に彼の姿はなかった。


(いないな‥。よし、次はあそこに行ってみるか。)


そう思った瞬間、背後から声がした。


「誰か探してるの?」


振り返ると今井先生が笑顔で立っていた。


「なんだ鈴原かぁ。職員室のぞいて、誰かに用事かな?…あっ」


何かを思い出したように、目を見開いて言葉を続けようとしたのでそれを悟った私は慌てて、


『何でもないです。さよなら。』


私は作り笑顔をして、その場から走り出した。
そんな私を見て今井先生は、


「こらぁ、廊下走るんじゃないぞ〜」


私の後ろ姿に向かって、大声で叫びながらクスクス笑っている。


(も〜恥ずかしいなぁ。やっぱり今井先生って苦手だ〜。)



   * * * * *


職員室を後にした私は、とりあえず彼がいつも仕事をしている資料室へ向かった。

部屋の前まで来ると、ドアをそっと開けて、願うように…


『失礼しま〜す。青山先生いますかぁ。』


すると奥から少し顔を出した彼は


「いるよ。」


と一言いって、また顔を引っ込めた。


(相変わらず無愛想だなぁ。)


そう思いながらドアを閉め中へ入るが、私の顔はにやけていた。

やっと彼に会えたので、無愛想な態度なんてどうでもよかった。



*‥*‥*‥*‥*‥*‥*‥*
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