ワタシノタイヨウ
「今日はなんだ?勉強でも教わりに来たのか。」


彼は意地悪そうに言い、ニヤリと笑った。


「そう言えば、お前この前のテストの点ひどくないか。オレがあんなに教えてやったのに。マジ自信無くす。」


そう言って少し上目使いに、じろっと私をにらむ。


でもすぐに優しい目で私を見てから、


「…まあ、今回は半分オレのせいでもあるか…。」


彼は髪をクシャっとかき上げ、少しうつむいた。



たしかに、あの一件があったせいで私は勉強どころではなくなってしまったけど…。

でも結局は自分のせいな訳で…



『あの、私の勉強不足だから、先生のせいじゃないよ。だから、気にしないで…』


私は、気にしてくれた彼の気持ちが嬉しかった。


うつむいてる彼を覗き込むように見ると、横目でチラッと私を見て


「じゃあ、次はいい点取れよ。」


そう言って、私のおでこを指で小突いた。


『はぁい。次は頑張ります!また教えて下さいね。』


私がおでこを押さえながら笑顔でそう言うと、頬杖をついて私を見ていた彼は、


「オレが教えるんだから、100点くらい取ってもらわないとな。」


と言って、私の髪の毛をクシャクシャっとした。


『うっっ‥頑張ります…』


私はグシャグシャになった髪の毛を手で直しながら彼を見る。


彼は楽しそうに笑っていた。


(先生が笑ってると嬉しいな♪)


彼の笑顔をまたこうして見れて、私はホントに嬉しかった。



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