【完結】キミと運命と裏切りと涙。
「……傷つけたよな」
「だから気にしないでよ。あたしは大丈夫だから」
ニコッと微笑む仁科だけど、俺には無理して笑っているようにしか思えなかった。
顔は笑ってるけど、作り笑いだってことくらいすぐにわかる。
「……無理して笑わなくていいからな」
「え?」
「……無理して笑ってるってバレバレだよ」
「やだなぁ、なに言ってんの。……あたしは無理なんてしてないよ」
「……そっか。ならいいんだけどな」
俺は仁科の肩をポンッと叩くと、そのまま教室へと向かった。
……俺だって仁科には悪いと思ってる。