【完結】キミと運命と裏切りと涙。
「…………」
あたしはなにも言えなかった。
先輩の腕の中から温もりが伝わってくる。
体の芯が徐々に温かくなっていく。
「……先輩」
「よかった……マジでよかった」
「……なんで先輩はそんなにあたしのこと心配してくれるんですか」
その温もりはとても温かくて、あたしを安心させてくれる。
でも頭の中はまだ冷たいせいか、またひねくれた態度を取ってしまう。
「もうお前もわかってると思うけど、俺はお前のこと……」
その言葉を聞いたあたしは、反射的に先輩から離れた。