【完結】キミと運命と裏切りと涙。

Side麻衣








「……これでいい?」


ゆっくりとアイツのほうに振り返る。




「いいだろう。やっと決断できたみたいだな」


口元を上げてニヤリと微笑むアイツは、あたしを見下ろすような目であたしを見ていた。




「……悪いけどこれは、アンタのためでもあたしのためでもないから」


「そんなことわかってるさ」


「……これは全部あの人のためよ。アンタのためじゃない」


「そんなに怖い顔しないでよ。まぁ悪いとは思ってるけどね」


「……ウソつき。ほんとは最初からこうなること、わかってたんじゃないの?」


「わかってたわけじゃないさ。……でも君ならそうすると思ってたよ」
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