【完結】キミと運命と裏切りと涙。
「……ならさ、俺ん家来ない?」
「え?」
「あっ、いや……」
自分でもなに言ってんだって思った。
でも気がついたら、自然とそう口にしていた。
「……バカなこと言わないでください」
「でも、行く当てないんだろ?」
「……ホテルにでも泊まりますから大丈夫です」
「でも……」
「気持ちは嬉しいけど、ほんとに大丈夫ですから。……ありがとうございます」
笹川はそれだけ言うと、そのまま屋上から立ち去って行った。
俺は立ち去って行く笹川の後ろ姿を、ただジィーッと見つめていた。