【完結】キミと運命と裏切りと涙。







「……ならさ、俺ん家来ない?」


「え?」


「あっ、いや……」




自分でもなに言ってんだって思った。


でも気がついたら、自然とそう口にしていた。




「……バカなこと言わないでください」


「でも、行く当てないんだろ?」


「……ホテルにでも泊まりますから大丈夫です」


「でも……」


「気持ちは嬉しいけど、ほんとに大丈夫ですから。……ありがとうございます」




笹川はそれだけ言うと、そのまま屋上から立ち去って行った。


俺は立ち去って行く笹川の後ろ姿を、ただジィーッと見つめていた。
< 86 / 544 >

この作品をシェア

pagetop