ガラス
一章
君との出会いは、一昨年のちょうどこの時期…―春。

中学生になったばかりの私たちは、着慣れないセーラー服を着て新しい教室にはいった。


「万実おはよー」

「おはよ由紀」

「いやいやいや…まさかまた万実と同じクラスとはねぇ…」

「はぁ…腐れ縁か」

「おい…なにげひでぇ…」

私は今日も、いつものように、いつも通り親友と、いつも通りの会話をしていた…。ただ違ったのは…―。

「あっ!ねぇねぇ由紀、王子様と離れちゃったね!さみし~」

「だからその呼び方やめろっての王子様違うし」

「…よしっ由紀、見に行こっか」

「え…誰を?」

「あんたの王子様♪」

私は由紀の腕を掴み、引っ張り隣のそのまた隣のクラスに向かった。
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