野球が嫌い。あんたも…大っ嫌い!

自分がさっき見たものを思い出し、まさか…という思いが脳裏を過ぎる。


けれどあたしはそれをすぐに拭い去った。


だって大事な試合前だもん。健太がそんなことしてるはずがないよ。


それにそういった噂、聞いたこともないし。


うん。ないない。


さっさとここを通過して健太にお守りを渡さなくっちゃ。


……でもちょっとだけ。


そんな興味本位から、木の幹からちょっこっと顔を出して――


――あたしはその場にへたり込んだ。



抱き合ってたユニフォーム姿の男が、紛れもなく健太だったから。




< 33 / 49 >

この作品をシェア

pagetop