Friendship《短》

単純な奴だな、と小さく笑いながらふと空を見上げると、藍色だった空はもう濃紺に色を変えていた。

濃紺の空には星がキラキラと輝いている。

やばい。これは絶対に怒られるな。


「おいノブ、早く帰るぞ!! ……ツヨシも早く帰れよ」

少し考えてから小さな声でそう付け足す。

その付け足した部分がツヨシに聞こえたのかと心配だったけど、橋の向こう側から嬉しそうな返事が聞こえたから俺の声はちゃんと届いたらしい。


「じゃあまた明日な!」

「二人とも気をつけて帰ってね」

「おう。じゃあまた明日」

そうお互いに声をかけ、俺達はバラバラの方向へと歩き出す。

親に怒られることは間違いないけれど。

明日から楽しくなりそうだ。

そんな予感がして俺は頬を緩ませながら、怒っているであろう母さんとじいちゃんが待つ家へ足を進めた。
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