Heart of Melody
帰り道。
歩夢と水無月が抱き合ってるとこを見かけた。
「………」
俺はとにかく家まで走った。
走った。
走った………。
「苦しい……な」
足を止め、空を仰いだ。
「神様の、いじわる」
次の日。
「後ろの黒板に練習表を貼っとくんで見て下さい」
水無月が朝の学活で合唱発表会の練習予定表について言った。
「水無月って可愛いよな」
「本当だよなー、まぁ今は歩夢の女だけどな」
「歩夢も可愛いしカッコイイみたいな」
「カッコカワイイ!!」
男子が話してた。
隣で歩夢がわざとらしく頬杖をついていた。
頬を赤く染めながら。
全く...これだから歩夢は恨めない。
英語の授業。
「Number...15!Natsumi」
先生に指されて教科書を読む水無月。
スラスラと英文を読み、席についた。
「さすが歩夢の彼女!!天才じゃーん」
男子が冷やかす。
「関係ないしι」
水無月は呆れ顔。
「馬鹿にすんなし!」
歩夢も半ギレ。
でも満更嫌ではなさそう。
なんか、ムカつく。
俺は机に突っ伏した。