拘束お姫様 *番外編開始




「よかった」


心から安堵の胸を撫でおろし、優しくシンデレラを抱き締める。


「え、あ、あの……」

恥ずかしいのか、おどおどとしている彼女が、とても可愛らしい。


あぁ、愛しいシンデレラ。
無垢な君を、これ以上、僕のせいで悲しませたくはない。


( みんな、シンデレラを批難するでしょうね )

もし、僕の居ない間に、貴族の者達に彼女がひどい事を言われていたら……。
きっと彼女は、それを黙っておくに違いない。
「迷惑をかけたくない」と強くシンデレラは思っているから、きっと、何にもなかったかのように、笑うに違いない。


( 一時の「愛」などに心を動かすな )

シンデレラを邪魔だと思っている父上は、必ず彼女を僕のもとから離そうとするに決まってる。
体に傷をつけはしないが、心に、深い傷を負わせていく。それがあの人のやり方だ。


このまま、シンデレラが僕の傍に居たら、必ず彼女の心は傷ついていく。
僕の居ない所で、隠すように涙を流すかもしれない。


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