拘束お姫様 *番外編開始






「王子、本当に アルフィディル伯爵家に行くおつもりですか」


彼の使者であるガイルは、驚きを隠せなかった。

部屋を後にした王子が、いきなり彼女の家元を訪ねると言いだしたのだ。



「あなたは次期、この国を君臨するお方ですよ。 なのに、そんなあなたが自ら伯爵家を訊ねるだなんて…」


「 僕が行かないと、意味がないんだよ」


「・・・・・そこまでして、あの少女が欲しいのですか」


無垢な心を持っている彼女を、


「・・・あぁ、欲しいよ」


必ず あの貴族たちから、奪ってみせる。



( 人間なんて―――― )


「・・・・彼女が、僕のようにならないために」


いくら嫌われようと、憎まれようと、


「あの伯爵家から、奪う」


僕は 成し遂げなければいけない。


< 48 / 208 >

この作品をシェア

pagetop