拘束お姫様 *番外編開始
*
「王子、本当に アルフィディル伯爵家に行くおつもりですか」
彼の使者であるガイルは、驚きを隠せなかった。
部屋を後にした王子が、いきなり彼女の家元を訪ねると言いだしたのだ。
「あなたは次期、この国を君臨するお方ですよ。 なのに、そんなあなたが自ら伯爵家を訊ねるだなんて…」
「 僕が行かないと、意味がないんだよ」
「・・・・・そこまでして、あの少女が欲しいのですか」
無垢な心を持っている彼女を、
「・・・あぁ、欲しいよ」
必ず あの貴族たちから、奪ってみせる。
( 人間なんて―――― )
「・・・・彼女が、僕のようにならないために」
いくら嫌われようと、憎まれようと、
「あの伯爵家から、奪う」
僕は 成し遂げなければいけない。