愛恋(アイレン)〜運命の恋〜
〜高3の秋〜

開く距離

夏休みが終わり、遂に二学期が始まった。




夏休みの間は、バイトと試験勉強で明け暮れていた。



夏休みの間も、相変わらずユウスケからのメールが頻繁に着ていたが…画面上からメールのマークを消しただけで、内容は全く見ていなかった。




“さすがに…NEWのマークも消すために、一度フォルダ内に入ったけどね"




心の中で呟く私。




ユウスケのあの態度は、本当に呆れさせられた。




毎日体を求められて断ったら、今度は[別れよう]と[やり直そう]の…繰り返しメール。




「はぁ…」




深いため息をつく私。




「どうしたの??」




私に声をかけてくれたのは、夏休みに入る前に、席替えして席が近くなった…盛さんだ。




盛さんは大人しくて物静かな印象だけど、野球の話になると、すごくいい笑顔を見せてくれる。




“その笑顔が…また可愛いんだよな"




ふと、私はそう思った。




「どうしたの?深いため息をついちゃって??」


不思議そうに聞く、盛さん。



「ん〜?…ちょっと、色々あってね」




苦笑する私。




「そっか…」


盛さんは俯く。
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