Un arce & Un cerezo
「楓君、誕生日いつ?」

桜ちゃんを助けて数日が経った。

あれから仲良くなって家も近くて一緒に遊んだりした。

今は幼稚園で空兄を待ってるところ。

「えーっと…10月3日だよ」

「そうなんだ!」

「誕生花が楓だから楓って名前になったんだよ」

「え!?」

なんだが桜ちゃん妙にオドオドしてないかな…?

「どうしたの?」

「えっとね…」

この前みたいに顔が赤いな…。

僕恥ずかしい事言ったのかな…?

「私、4月1日で、桜が誕生花だから桜なの!!」

「由来は一緒なんだね!」

「うん!!!」

"桜ちゃんの笑顔可愛いな…"

ん?何だか胸のあたりがドキドキしてる…。

何だろうこれ…。

「楓ー!」

「あ、空兄!」

空兄が迎えにきてくれた。

「桜ちゃんこんにちは」

「空さんこんにちは!」

空兄が桜ちゃんの隣に座る。

「桜ちゃんのお母さんはまだかな」

「今日は少し遅くなるって言ってた…」

悲しそうに俯く。

元気出してほしいな…。

「空兄!桜ちゃんのママがくるまで待ってようよ!」

「えっ、そんなの良いよ!」

「桜ちゃん1人じゃ危ないから…」

桜ちゃんは顔をあげたけどすぐに下をむいてしまった。

「桜ちゃん、楓の言う通りだよ。桜ちゃんは俺等が居たら嫌?」

空兄は桜ちゃんの頭をやさしく撫でた。

"触るな…"

!!!何だろうこの気持ち…。

「嫌じゃないよ…一緒にいて…」

桜ちゃんは空兄を抱きしめた。

それに答えるように空兄も桜ちゃんを抱きしめる。

"ここにいたくない…"

僕は幼稚園を飛び出した。

「あ、おい!楓!!」

空兄の声が後ろで聞こえた。

「ちょっと外で遊んでくる!!」
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