【短編】LIVE HOUSE



振り返ると、タイラ君がまだあたしを見送ってくれていて、あたしは再び大きく手を振った。





ずっと何かを探していた。


そして今、あたしは確かに感じている。


何かが始まると。


真っ暗なライヴハウスから。


ライヴハウスで出会った、タイラ君という少年から。


何かが始まる。


ここにあたしが探しているものがある。


あたしの心を震わせるものが、きっとある。





あたしは思い切り足を踏み出し、駆け出した。


< 16 / 18 >

この作品をシェア

pagetop