《完》シークレットコードにご用心

優しい王子の正体

     ☆☆☆☆☆



10月も終わりに近い
街の風は冷たい。


あたしはジャケットの前を
ピッタリしめて歩いてた。



――あたしは私服。

両隣を歩く、緋月と光琉も。


学園を出た後、あの怪しい
ビルに寄って着替えたんだ。


私服のストックはいつも
置いてあるらしくて、
あたしが着てるのは藍の服。



「着替えるならそーゆって
くれればよかったのに……」


ブツクサ言うあたしに
緋月が苦笑いしながら、


「ゴメンゴメン。

てっきり、伊織から
聞いてるかと思ってたから」


「聞いてなかったよ」


「んじゃお前、制服姿で
どう聞き込み調査する
つもりだったワケ?」
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