≡イコール 〜守護する者『霊視2』より〜

残酷な啓示

次の朝、絵里香はいつも通りの様子で学校へ行った。

由利絵はその様子を見届けると、早速神社へ行く準備をした。


神社へは、ほんのちょっと寄るだけなので、ついでにハチの散歩も兼ねる事にした。



「さぁ、ハチ!今日は神社の階段を上るわよ!」



首輪にリードを付けられたハチは、嬉しそうにピョンピョン跳ねた。


ハチにやや引っ張られながら、由利絵は神社の階段の前に辿り着いた。



「はぁ・・・ここからが本番ね。心臓破りの階段!200段だものね!」



由利絵は、この神社の名物とも言える階段を見上げた。



「とにかく一歩ずつね。ハチ行くわよ。」



由利絵は階段を一歩ずつ上り始めた。

ハチも由利絵を無理に引く事なく、ペースを合わせて上っているようだった。


階段も中盤を越え、ハチも少し舌を出してハァハァ言って上っている。

もちろん由利絵もペースダウンしていた。



「ハチ・・・ちょっと待ってね。ハァ・・お水を飲ませて頂戴・・・ハァ・・・」



由利絵は、家から持って来たペットボトルに入れた水を、バッグから取り出した。


そして、疲れた手でキャップを開けると、ゴクゴクと水を飲んだ。


自分が飲み終えると、今度は手のひらに水を注ぎ、ハチにも飲ませた。


由利絵の手の中の水を、ハチはしっぽを振りながら、ペロペロと舐めた。



「さぁ!もう一踏ん張りね!行きましょうか。」



由利絵は、ハチにそう話しかけながらペットボトルのキャップを閉めようとした。



---カチャッ



ペットボトルのフタが、思うようにはまらず、キャップは反発して、由利絵の手から飛び出した。



「あっっ!」



と言って、由利絵はハチのリードを持っていた手を放し、その手で宙に浮いたキャップをキャッチしようとした。

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