≡イコール 〜守護する者『霊視2』より〜

病院の広い入り口の自動ドアには、向かいの空の大きな入道雲が映っていた。


オレが自動ドアに近づくと、ドアは入道雲の一番大きな所を2つに引き離した。


とても暑いこの夏の午後は、一旦外に出ると自分自身がアイスキャンディーにでもなったかのように、溶けるような汗が流れ落ちてくる。


雲を分けた自動ドアを開いた瞬間、オレはまた固形を保てる冷気を得た。



「すずし・・・」



ホッと、そう呟いた瞬間・・・


ブーーーー・・ブーーーーー・・ブーーーーー・・


オレのジーンズの尻ポケットに納めてあるケータイのバイブが鳴った。



「・・・だれ?」



また、そう独り言を呟きゴソゴソと汗ばんだ手でケータイを尻ポケットから抜き取った。



オレはケータイの着信相手の表示を見て、慌てて電話に出た。



「はい!もしもし。」



< 22 / 348 >

この作品をシェア

pagetop