≡イコール 〜守護する者『霊視2』より〜
「今、帰り?」



令子がそう尋ねると、絵里香はワクワクして答えた。



「はい!もぅ、夏休みなのに大変ですよ!毎日学校行かなきゃならないんですよ!いくら進学校だからって人権侵害ですよね、これじゃ!!大人だって休む権利はあるんでしょう?パパなんて、休みたくないのに会社が無理矢理休まなきゃいけないとかって決まりがあるんだって。ほんと、それくらいないとこの暑さじゃもちませんよね~、いくら若くても!」



絵里香は毒吐きをする絶好の相手を見つけたかのように、令子にペラペラと喋った。



「ウフフ、随分溜め込んでるみたいね。」



令子のその言葉に、絵里香はすかさず言葉を返した。



「そぉなんですよぉ!しかも私には役目がある!っていうのに誰も分かっちゃイナイ。…というより誰にも言ってないんですけどね!でも先生は、私のこと分かってくれるから安心!・・・あっ、そうだ!丁度よかった。私先生に相談したいコトがあったんですよね!あっ、良かったらあがってください。暑いんでクーラーにあたりましょうよ!」



と一方的に喋ると、グッと令子の背中を押し門の中へ令子を入れ、カギを開け玄関の扉を開けた。



「どうぞ!」



絵里香のエスコートで令子は絵里香の自宅に上がった。



「…相談って、この前のエンジェルの事?」




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