≡イコール 〜守護する者『霊視2』より〜
オフィスから駅まではそう遠くなく、10分ほどでオレたちは『韋駄天』に到着した。



「いらっしゃいませ、あっ・・ご予約の団体様ですね。お待ち致しておりました。」


着物を着た年輩の女性店員が、オレたちを奥の座敷へと案内した。


居酒屋と聞いていたので、狭くてウルサイ所だとばかり思っていたが、

カウンター奥にはいくつか仕切られた座敷があり、団体でもゆったり座れるスペースが十分にあった。

音楽もジャズっぽいものが流れており、店内を一層オシャレに感じさせた。


皆、ぞろぞろと奥の座敷に上がっていった。

オレはというと、勿論主役とはいえ、一番の下っ端なので一番最後に座敷に上がった。



「おっっ、主役はこっちこっち!!」



座敷の入り口から一番遠い座席に既に社長は座っていた。

社長の横には、小綺麗にした女性が座っていた。



「いえ・・・私はここで・・・」



オレは社長の近くに呼ばれたが、社長の隣は『魔のスポット』らしく、座ったが最後、飲まされるわ、踊らされるわ、トイレに行けないわで皆地獄を味わうらしい・・・。


竹田さんからあらかじめその情報を聞いていたオレは、ソレだけは絶対に避けようと決めていた。

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