あたしの仮旦那は兄貴の親友
「初めまして、果恋さんよね?」

巻き毛の似合うあいつの元カノが
あたしと目が合うとにっこりとほほ笑んだ

あたしの中にある『女』らしい女だ

白い日傘が似合いそうな女で
清楚で可憐そんなイメージ

落ち着きが合って癒しのオーラが感じられる

あたしとは全く違う

発する声もか細くて
思わず守りたいなあ…なんて思ってしまうような声色で

ああ、あいつはこういうのが好みなんだって
すんなりと納得できてしまう

あいつと並んで歩けば
美男美女のカップルだと
街行く人たちの視線を奪っていきそうだ

あたしはぺこっと頭をさげると
あたしよりも数センチ身長の高い女性を見上げた

「廉人さんの妹さんなのよね?」

「え? ああ、はい
そうですけど…兄貴に用ですか?」

「『兄貴』? ああ、違うの
貴方と少しお話がしたくて」

「はあ…あたしですか」

なんだろう

何か共通の話題でもあるのだろうか?
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