あたしの仮旦那は兄貴の親友
振るえる手で携帯を握り
リダイヤルボタンを押した

『果恋? どこにいるんだよっ』

ワンコールで
あいつがすぐに電話口に出る

苛々しているみたいで
口調が荒いよ

「こ…公園、怖い…怖いよ」

『果…果恋? すぐに行くから
絶対に動くなよ
電話も切るなよ』

「ん…切らない
芝生があるところの
木陰にいるから」

『わかった
もうすぐ着くから
あと2,3分で…だから』

あいつが必死に走ってるのがわかる

電話越しに風を切る音が聞こえる

息があがって呼吸が乱れているのが感じられた

あいつは
本当にすぐに来てくれた

言葉通りに…

「果恋、どうしたんだっ」

信じられないものを見るように
あいつが目を見開く

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