ただ、大好きでした。
マンションの下で、自転車に跨がったままの蒼井と、傍に立つあたし。
卒業式の別れ際とも、もちろんこれまでとも、なんだか取り巻く空気が、ちがくて
ただ真っ直ぐ
なにかを確かめるように、探るように、
じーっと瞳の奥を覗かれたあたしは
どうしていーか、わからなくて
せっかく生まれたこの一時を、『つまらなかった』って、思われるのが嫌で、怖くて
目を游がせて、ひたすら口を動かしながら、バカみたいに笑うしか、できなかった。