LIVE −自分らしく−
「ねぇ!」


女性の声に

思わずビクッと

反応してしまい

ゆっくりと女性の方を向いた…

その瞬間…


女性は笑いながら

話し掛けてきた


「ああー!!
やっぱりそうだぁ
似てるなぁって思ったん
だよねぇ」


女性の声に

僕は聞き覚えがあった



僕は少し顔を近付けながら…



「どっ…どこかでお会いしましたっけ?」



すると女性は

僕の横に腰掛けながら…


「やっぱり普段のメイクと
服じゃ気付かないよねぇ?
私っ!!マリですよ!?
ほらっ!」



っと僕に詰め寄りながら

自分の顔を指差しそう言った…


「えっ?ええぇ…?」



僕は女性の顔を

まじまじと見ながら…

驚きの声を上げていた



見覚えのある顔に

聞き覚えのある声…


だが…

まさか彼女だなんて…



「えっ!あ…はい!
マリさん…
どっどうも!」



僕が驚くのを

楽しむかのように、

彼女は笑いながら



「うん!そうっ!マリだよ」



っと頷きながら

僕の手を掴み…

握手した…



「はじめまして
って言うのも変かな?
いつもライブ
来てくれてるよね?
アリガトウ」



僕は驚いた…



何で僕の事を

知っているのか…



いつも隅っこで

見ているだけなのに

どうして…



僕は彼女に問い掛けた


すると彼女は…



「だっていつも始まる前に
入って来て、
終わったらすぐ出て行くし、
いつも端っこで
盛り上がる訳でもなく
突っ立ってんだもん!
…フフッ!
ステージから見たら
あれ逆に目立つよ?」



彼女はステージ上とは違う

少女のような笑顔で

答えてくれた



「そっ…そっか…
そうだよね!逆に目立つよね!ハハッ」



僕は…


何だか恥ずかしくなり

体が火照ってきた
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