美しい名前
06
あたしはその日から、ずっと微熱が続くようになってしまった。

前のように夏と出かけられないし、屋上に正臣とも出られない。
またそんな状況がストレスになってしまって、具合が悪くなって…と悪循環を繰り返していた。


「もう、本当にやだ!!なによりそんな病弱な自分がキライ…。」

あたしは、とうとう正臣に当たってしまい泣き崩れた。

「そんなこと言うなよ。俺は空海と出会えて良かったし、大好きだから。」

「…ありがとう。」

正臣に励まされながら、毎日をなんとか過ごしていた。
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