銭コ乗せ
「こんなんで、ホントに上手くいくのか?」

そう呟いた俺の両手には全身タイツがしっかりと握りしめられていた。


なんで全身タイツ?


なんで全身タイツ!!

雑貨屋、コンビニ、書店、骨董品、工具店に服屋。何店もハシゴしていくうちにどれもこれもうさんくさく見えた。やがて、品定めもめんどくさくなり、最後に入った玩具屋のワゴンセールに全身タイツが一枚だけ置いてあった。
価格は2050円。


これは何かの運命だ…

じゃらじゃらと小銭を出す俺を、店員が苦い顔で見届けていた。

店を出て我に返ると、

思った。


このチョイスは



失敗だったかもしれん。


俺のバカー!!

運命を感じた自分をタコ殴りにしてやりたい。タイツに運命もクソもねぇよ。それ、ただの変態だよ。変態タイツだよ。変態タイツ。変態…ツ…。

やべぇ…。マジで死ぬかも…。

死因が全身タイツ。

…だから笑えねぇって!!
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