大きな花束
大好きなソフトボールをするために部活に入って、高1の夏。
こんな事故に巻き込まれるなんて思ってもなかった。

ぶつぶつと独り言を言っていると急に扉が開いた。
「ナナ!?よかったわぁー無事でー!」

「調子はどうかな?私が主治医の笠井です。よろしくね。あ、多分入院する事になるけど‥大丈夫かな?」


甲高いお母さんの声の後に、主治医の笠井先生の優しい声。
でも、あたしは一瞬驚いた。“入院!?!?”

「入院てどういう事ですか!?まったく意味わかんないんですけど!」

笠井先生に抗議した。
するとやっぱり笠井先生は優しい声で、

「いやいや、精密検査したらね、少し脳に損傷があるみたいでね、あと、腕も骨折しているし‥少し入院すれば治るから。」

ここまで言われたら、さすがに反発も出来なかった。
「どんくらい入院しますか??」
自分の中では1週間て、思っていたところに笠井先生が、

「うーん‥治りの早さでも決まるけど−‥3週間くらいかな?」


衝撃の日にちにびっくりした。
だって3週間て言ったら、部活ざんまいの夏休みが、みんなとはしゃぐ夏休みが、、、、、


唖然とするあたしに笠井先生は優しく、

「じゃぁ、少し親御さんに話しするから出るね」

と部屋を出て行ってしまった。
その後をついてくお母さんは、あたしに手を振って出て行った。
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