胡蝶蘭
「ほら、出来る限り寝とけ。」


「うん…。」



腕を外すと、誓耶は不安げに顔を歪める。



偉槻は小さく笑って、誓耶の腕を引っ張って一緒にベッドに倒れこんだ。



「ほら、隣にいるだろ。」


「うん。」



すぐさま、誓耶は身体を摺り寄せてくる。



偉槻もわかっていたので腕を広げて誓耶を受け止めた。



誓耶は本当に疲れているらしい。



またすぐに寝息を立て始めた。



どうか、誓耶がまた嫌な夢を見ませんように。



安らかに寝かせてやってください。













が、偉槻の願いも虚しく、誓耶は何度も目を覚ました。



さっきのように悲鳴を上げて、跳ね起きることもあったし、ビクッと身体を震わせて目覚めることもあった。



そして、涙を流す。



偉槻はそのたびに誓耶を抱きしめた。



寝ぼけたまますすり泣く誓耶が痛々しくてたまらない。



偉槻は眠るどころではなかった。



平均して30分置きに、誓耶は目覚めるのだ。



偉槻はどうしても眠れず、誓耶が目を開けるのを待つ。



そして、宥め、眠るまで頭を撫で続けた。




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