狭間に落ちる


やっと男の頬が緩み始めて

あたしはその様子を

映画でも見るかのような心持ちで見ていた


「じゃあ、君は蛍だ」


ようやく笑った男は

宙を舞う蛍の一匹を指先で光らせて

あたしに名前をつけた




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