なみだ
彼女と出会ってから
2週間ちょっと‥。

僕は この日、
ようやく決心した。



### 彼女に告白する… ###



いつものように
図書館の入口で彼女を
待ちながら、
どう 話を切り出そうか
ずっと 考えていた。

考えれば 考えるほど、
いつも以上に
心臓は大きく脈打ち、
どんどん頭の中が
真っ白になっていった。


「瀬良さん‥」


ふいに
彼女の声が聞こえ、
僕は顔を上げた。


「あっ…?!」


そこには すでに、
いつもと変わらない
笑顔の彼女がいた。

考えごとを
していたせいで、
僕は彼女が近づいて来た
ことに気付かなかった。


「ご‥ごめん‥!
気付かなかった‥」


慌てて謝る僕に、


「何か、
考えごと‥ですか?」


と、彼女は少し心配そうに首を傾げた。


「えっ‥、あ‥いやぁ…」


まさか
『告白を‥』などと
言うわけにもいかず、
僕の頭の中は、
軽いパニック状態に
なっていた。

それでも
『何か言わないと‥!」
と、思い、


「な‥なんでもないよ‥。
それより‥、
早く、中に入ろうか。
今日も、朝から暑いし‥」


と、少し不自然な
しゃべり方になりながら、僕は必死で話題を
切り替えた。

あまりにも不自然な僕に、まだ彼女の中で疑問符は
取れていない様子
だったが、


「そうですね。
中に入りましょうか」


と、彼女は笑ってくれた。






彼女の優しさと笑顔に


##### また、彼女に #####
##### 気を遣わせて #####
###### しまった… ######


と、僕は少し後悔した‥。
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