溺愛女神様―青空の瞳―

瞳の意味


レイはカナンの後ろを歩きながら廊下や天井などを落ち着きもなくキョロキョロと見回す

先程居た部屋も豪華だったが、廊下も眩しいくらい豪華な装飾で天井も遥か上にある

明らかに家のレベルではない――

「カナンさん。ここはどこなの?」

ここがどこかの王国だということは先程聞いたが、今度は今現在、自分がその国のどこに位置しているのかが気になり、目の前のカナンに問い掛ける

彼女はこちらに振り返り、“カナンとお呼びください”と微笑んだ後、丁寧な言葉遣いで質問に答える

「ここはファンス王国の王城。先程、レイ様とおられた方がこの国の王――エドガー・アバンス様です」

「お、王様!?」

どうしよう、すごい失礼なことをしてしまったよ――普通にさん付けしちゃったよ………

今なら、何故、アイルという人が怒っていたのかよくわかる

頬を引き攣らせていると、カナンがある部屋の前で立ち止まり、その扉を開いた

「こちらがレイ様のお部屋になります」

「部屋…?というか、レイでいいです。歳もそう変わらないと思うし…」


先程から気になっていたことの一つだが、その呼び方はどうだろうか――自分はただの女子高生なのだから、そんな大層な呼び方は合わない


「そうはいきません。あなた様は女神様なのですから。さあ、レイ様、部屋にお入り下さい」

よく分からない理由と笑顔で促され、何故か逆らえず部屋の中にささっと入る











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