君を想う
Chapter9 惹かれる心

好きでいさせて

何を言うつもりなのかわからない


だけど・・・


「私・・・お兄ちゃんの事・・・」


「言うな!」


お兄ちゃんは 叫ぶように言った


「俺の事・・・想ってくれるのは


嬉しいよ


でも・・・麻美の事を想って


身を引いたんだ」


わかってる・・・


わかってるよ・・・?


でも はっきりさせたいの


「お兄ちゃん・・・」


「俺・・・嬉しかったんだ」


「え?」


「・・・麻美が俺の事好きだって


言ってくれて 嬉しかった」


お兄ちゃんは 少し寂しい顔を


しながらそう言った


「お前が好きなのは・・・


俺じゃない 倉崎君だろ?」


私が好きなのは・・・


お兄ちゃんじゃない


「だから・・・次帰って来る時は


兄貴として帰って来るから


麻美の事 妹として見れるように・・・


なってると思うからさ」


そう言って お兄ちゃんは


優しく笑っていた
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