RED×HEAVEN
男の激しい足音で我に返った。



少しの間、男から目を離してしまっていた事に気付き、動揺した。



男は走り出し、今まで一定だった女との距離を大幅に縮めている。



女の脚がいくら速かったとしても、大抵の男の脚には敵わない。



もちろん例外はあるが、この女はどう見ても例外には当てはまらないだろう。



俺も走り出していた。



俺はこんな時にすら、空を飛べない幽霊らしい。



神様、あんた何考えてんだ。



融通をきかせてくれたっていいじゃねぇか。
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