僕の独り言。
 


あーでもない、こーでもないとやってるうちに時間はどんどん過ぎていく。


「くっ…ネクタイ恐るべし!」

「…もう適当にやっちゃおうよ」


と、雅が言った時、階段をパタパタと上がってくる音とともにバン!と勢いよくドアが開かれる。


「誠!雅!いつまで支度してるのっ!」


二人と同じ色素の薄い茶色の髪と瞳。

腰までの髪を横で結びフリルの付いたエプロンを着て、ぷくーと頬を膨らませる小動物のようなこの人は母の百合(ゆり)。


 
< 3 / 6 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop