運命が教えてくれたもの
あの日 あの人に会って運命が変わった。







ずっと一緒って思っていた。
病気のことなんか言ってくれなかったのに…


私は信用されてなかった。
当時付き合っていた山本 結城(16)は私のせいで死んだようなものだ。

私,松山 優花が少しでも彼の力になっていればと,とても後悔をした。


私が彼の死を目の前にした後,少しでも外の空気を吸いたいと思い 外にでた。


「はぁ…」
私は涙とともに,全身の力が抜けていくように感じた。

「俺も一緒だ…」
いきなり小さな声でとなりで喋りだした山下 悟(16)は,私と同じで彼女を亡くしたらしい。

彼は私のとなりにきて暖かい缶コーヒーを渡してきた。



「えっ…」
そのころ,何も知らない私は
彼のちょっとした温かさが嬉しく感じた。




「今,気分的に寒くねぇ??」

彼は,少し短い髪で,黒ぶち眼鏡をかけていた。
少し悲しそうな顔で,私を励ますように優しく喋ってくれた。


「ありがとう…あっ…えっと!」


思わずその言葉が出てしまった。


「なんかお前…おもしろい!!」

とびっきりの笑顔でそういった。




彼はこの病気の社長の息子で,自分と同じような私を見つけたらしい。
私は 彼をもっと知りたいと思った。






それから一ヶ月という時間が流れた。
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