木苺の棘
蓋を開け、着火音が響くと
オイルの匂いが立ち込める。

その火に、二人は交互に
煙草を押しつける。

「見せて?」

漣の手に渡る、巽のジッポ。

「これ、高かったろう?」

「そんなこと、無いよ」

私は、漣からジッポを
受け取って、また引き出し
に仕舞った。

大切に仕舞う

アリスの横顔

漣は、本当の持ち主が
巽である事が分かる。

ベッドの端に腰を下ろし
煙草を吸う、アリスを
後ろから抱きしめる。

「レン、びっくりした
 危ないよ」
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