木苺の棘
本当の私は

ここに居るべきじゃない。

恋なんかしちゃいけない。

もっと、もっと

苦しまなきゃいけない。

私だけが

幸せになっちゃいけない。

そんな事、八重が許さない。

ううん・・・私が許せない。

棘に絡まりながら
生きていく。

後悔に苛まれて・・・

私は、ヘッドフォンから
聞こえる音に耳を傾ける。

貴方の声・・・

『アリス、聞いて
 引っ越した場所がね
 偶然、タマキ先輩の
 家の近くだったんだぁ』
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